COLUMN

家づくりコラム

頭金なしのフルローンで注文住宅を建てるメリット・デメリット
2025/01/27家づくりコラム

平均は費用全体の2割ほどといわれている注文住宅の頭金。しかし、注文住宅に限らず、建売戸建てでも頭金なしのフルローンで家を持つという選択をする人が増えてきています。実質賃金が減り続けている日本では、まとまった資金を頭金として出すことが厳しくなってきているということかもしれません。そこで、頭金なしのフルローンで注文住宅を建てることのメリットやデメリットについて解説していきます。
頭金なしのフルローンで注文住宅を建てるメリット・デメリット

注文住宅をフルローンで建てる人が増えている?


何十年前という単位で見れば、家を買うときは2~3割の頭金を用意するのが一般的でした。しかし、ここ数年でフルローンで住宅購入をする人が増えてきています。フラット35を提供する住宅金融支援機構による2023年度の調査によると、変動金利型の利用者が7割以上を占めており、さらに融資率90%以上となる割合も多くなっています。
変動金利が低い期間が長く続いており、月々の支払金額や支払総額を抑えられるので、「低金利の変動金利で1割未満の頭金で家を建てる」ということが実現可能となっています。

頭金なしで注文住宅を建てるメリット


頭金なしのフルローンで注文住宅を建てるメリットとは何でしょうか。高額な借り入れなので不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。そこで、メリットとデメリットを合わせて解説していきます。

自己資金を温存できる


頭金なしで注文住宅を購入する最大のメリットは、自己資金を温存できる点です。頭金を準備するために多額の貯金を切り崩す必要がなく、その資金を将来の予備費や投資に回すことができます。急な出費や生活費の安定も見込めるため、家計に余裕を持たせることが出来ます。

早めに夢のマイホームが手に入る


頭金なしでフルローンを利用すれば、貯金を待たずに早期に注文住宅を新築することができます。頭金を貯めるために数年間待つ必要がなくなるため、若い世代や新婚家庭など、早くからマイホームを手に入れたい人にとって大きなメリットと言えるでしょう。将来の生活設計を見越して、早めに自分たちの空間を築くことが可能となります。

インフレ対策として有効


インフレが進むと同じ貯金額でも物価上昇により実質的な価値が下がります。頭金なしで今すぐに住宅を購入すれば、現在の低金利のうちに住宅ローンを組むことができ、貯金の価値が下がるリスクを避けることができます。さらに、不動産価値が上がることで資産のインフレ対策としても有効です。価格が上昇する前に購入しておけば、将来的に財産価値が上昇する可能性もあります。

頭金なしで注文住宅を建てるデメリット


頭金なしで注文住宅を建てるにはデメリットも生じます。利用する住宅ローンの条件をよく確認し、デメリットをなるべく小さくする工夫をすることが大切でしょう。

返済額が増える


注文住宅を頭金なしで購入する場合、住宅ローンの借入額が全額になります。そのため、月々の返済額が増えることとなります。頭金を準備することで、借入額を減らせるため、返済負担を軽減することが可能ですが、頭金なしではそのメリットが得られません。

金利負担が大きくなる


頭金なしでフルローンを利用する場合、借入額が大きくなるため、自然と総金利負担も増加します。金利が高いと、借入期間中の返済総額も膨らむこととなり、結果的に支払いが大幅に増える可能性があります。このため、注文住宅新築時にはできれば頭金を用意しておくことが推奨されます。

借入審査が厳しくなる可能性がある


頭金なしでフルローンを組む場合、金融機関の借入審査が厳しくなる傾向があります。頭金を入れることにより、自己資金の一部を住宅購入に充てる姿勢を示すことができ、金融機関からの信用度も向上します。しかし、頭金を準備せずに全額借入を希望すると、返済能力に厳しい審査が行われる可能性が高くなります。

頭金なしでフルローンを活用する際の注意点


メリットもデメリットもあるフルローンでの住宅購入ですが、利用に際してどのような点に注意すればよいのでしょうか。「今出せるまとまった資金がないからフルローンで家を建てる」という方ほど、綿密な計画が必要となります。

将来の返済計画を立てる


フルローンで注文住宅を建てる場合は、将来の返済計画をしっかりと立てることが重要です。毎月の返済額だけでなく、家族のための資金や老後資金、家の修繕費など様々なたくわえが必要になるはずです。無理のない返済計画を作ることで、長期的に安定した生活を送ることができます。

余裕のある借り入れを心がける


頭金なしで注文住宅を新築する際には、余裕のある借り入れを心がけることが大切です。住宅ローンを組む際には金融機関の審査を受けますが、余裕をもって返済できる金額を選ぶことが安心です。過剰な借り入れは、返済の負担が大きくなるだけでなく、金利負担が増える原因にもなります。自身の収入と支出を正確に把握し、適切な借入額を設定しましょう。借りられる金額よりも返せる金額を優先し、返せる金額で建てられる家に仕上げることが重要です。

専門家に相談することの重要性


フルローンを利用する際には、専門家に相談することも有用です。ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーに相談することで、最適な資金計画を立てることができます。専門家の助けを借りることで、不安を解消し、安心して注文住宅を建てることができます。

まとめ


頭金なしで注文住宅を購入する方法について、そのメリットとデメリットを詳しく解説してきました。フルローンでの注文住宅新築は、自己資金を温存しつつ早期に夢のマイホームを手に入れることができる一方で、返済額が増えるなどのリスクも伴います。特に金利負担の増加や借入審査の厳しさには注意が必要です。また、専門家に相談することでより安心した選択ができるでしょう。

ARCHIVES全 27 件の記事があります

Page Top